増えたことで

和室が落ち着く

 一昔前までは、費用をかけた立派なお葬式を挙げることが、親孝行の証しであるかのような風潮がありました。立派な会場を借りて豪華な祭壇をしつらえ、値段の高い棺桶に遺体を納め、ハイグレードな霊柩車で火葬場に搬送するという形を取るのが、当たり前のようになっていました。しかし、死んだ後で何百万円もの費用をかける余裕があるのであれば、生きているうちにそのお金を使って親孝行する方が意味があるのではないかと考える人が多くなり、葬儀形式が少しずつ変化してくるようになりました。以前は、定番とも言えるような高額の葬儀プランしか用意していない業者が多かったのですが、最近では安価なプランを何種類も用意する葬儀業者が増えてきました。

 年齢が高い方の中には、費用をかけない葬儀のことを恥だと考える人が少なくありませんが、若年層はかなり柔軟な考え方をするようになってきています。また、価値観が多様化している現代では、葬儀の形式にも自分らしさを求める人が多くなってきました。ある程度社会的地位が高かった人や、生前の交際範囲が広かった人が亡くなったような場合であれば、従来通りの形式の葬儀を執り行うようにした方が便利です。しかし、そのような事情が特にないのであれば、決まりきった型に縛られる必要はありません。また、あまり積極的に人付き合いをしなかった人が亡くなった際に、従来通りの形式で葬儀を営むと、かえって寂しい印象の葬儀になってしまうだけです。そのため、今後の葬儀形式は、それぞれの人の事情に合わせて多彩になっていくと考えられています。